混乱と意地(詩④2020年4月①)

生きれば生きるほど

 

 

生きれば生きるほど
血も 痛みも 失望も
濃さを増す

はっきりとした生が
くっきりとした影を地に刻む

しかし
私の血の染み込むこの土こそが
どこまでも つながっているのだ
踏みしめて良いのだ

 

 

私が私を振り払う

 

 

頼むから静かにしてくれ!

お前のうすっぺらな正当化
慰めなんて 要らない!

おれは裸のいのちでもって
これと向き合いたいのだ!

近寄るんじゃない!
おれの痛みを

奪うんじゃない!!

 

 

砂浜で

 

 

浜に
砂のお墓があって

ぼくは誰もがいつかは死ぬということに
しずかに想いをめぐらせていた

すると

向こうから子どもがやってきて

はだしで

蹴散らして行った

 

 

熱海なのに

 

砂浜にはたくさんの足跡が
風にふかれ さらさらながれる

さむい 熱海なのに

ぼくは独りをこよなく愛する

 

夕焼けぞら

 

 

誰からの慰めも要らない と
町をでたぼく

山の向こうへ消えてく夕陽は
ただ一切を忘れさせた

 

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ABOUTこの記事をかいた人

20代。早稲田大学を卒業。大学時代に生きることに悩み、哲学書・宗教書・文学書を読み漁った結果、頭だけで考えても仕方ないと悟り、臨済禅の坐禅道場で参禅修行を始める(4年間修行)。 2020年に(カトリック)教会で洗礼を受ける。 路上お悩み相談(コロナ禍によりお休み中)や、SKYPE相談・雑談、コーチング、生きねば研究室など、一対一の本音で対等な関わりを大切に、自分にできることをほそぼそとやっています。