歩くこと
歩いていかなくちゃならない
いつまでも いつまでも
ぼくはぼくの 道の途中だ
ぼくがいなくなっても
別のだれかが
歩いてくれる
だからぼくは
ぼくの道を歩いてゆく…
梅雨
エアコンの効いた部屋にひとり
雨がふっている
ふと
たまご焼きのにおいがして
指さきのにおいをかぐが
気の所為か
今年の梅雨は
重たい
その後ろの奴を
現実は いつもうしろで
待っている
お前が背中を向けてるあいだも
待っている
お前は背中をひっかかれ
涙を溜めている
でも 振り向かない
耳を塞いで
彼方を眺めている
お前が
ふりかえって
そいつと抱き合うことを
ぼくは 願っている
なにも できないけれど。
涼しい夜に
ひんやりした風が
部屋に入ってきて
ぬけてゆく
すこし冷たいタオルケットを
両脚に抱え込んで
眠りが訪れるまで
しずかに横になっている
列車がゆらす線路の響きが
風にのってやってくる
こんな平和な夜を
ぼくはあと何度
味わせてもらえるだろう
ぼくはそれでも
どこか
かなしい
きっと 理由は
ないのだろう
ここらの街は
ただしずかに 眠っている
限界にひざまずく
限界の壁に囲まれた人間が
この世を呪って 生を呪って
地団駄を踏んで 泣き喚く
人間の限界 言葉の限界
思考の限界 現実の限界
限界に ひざまずけ
その内側で ひれ伏せば
壁の向こうの神さまは
下からお前を
支えてくれる
そこは
お前に与えられた住まい
神のまえに
ちっぽけな お前そのもの
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