生きることはかなしい
生きることは かなしいなぁ…
いつも夕方みたいだ
湖のおもてに煌めく夕日が
うつむいたぼくを 照らしていた
やさしい風
湖のむこうからやってくる風は
ほんのりつめたく
それでいて やさしい
なんにも答えてくれないし
おしえてくれないけど
みずうみはやさしい
おおきな おもたい からだのすみで
ぼくをじっと いさせてくれる
そばにいることを ゆるしてくれる
なんにもしなくて良いよ、と
本でも読みに ここにきたけど
考えることだって しなくて良いよと
みずはヒタヒタ 石段を舐める
なんにもかんがえないし
なんにも読まない
ここはぼくに やさしいみたい
くもをみて
戦艦みたいな
大きな雲が
山の裏から 急にでてきて
その下の
アヒルみたいな雲よりもずっと
ぼくは 小さいのだろうけど
自分なりに がんばってみようと
思えたのです
ぼくはあのとき
ぼくはあのとき 気づかなかった
湖のほとりで 大きな大きな山に囲まれ
斜面にずらっと並んだ枯れ木は 両手をひろげて
暑そうに夕日に燃やされながら
ぼくのことをみていたのだ
あのときぼくは 気づかなかった
ばいばい
仕事がはやくおわったぼくは
なにをしたいのか わからない
カフェ? 公園? まっすぐ帰る?
バイクで道に出たって わからない きまらない
そのまま そのまま わからずはしって
ついたみずうみ
お山のてっぺンに
夕陽がしずんでいった
ばいばい
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